パンコムギ、麺麭小麦(bread wheat, 学名: Triticum aestivum)あるいは普通コムギ(common wheat)は栽培種のコムギの一種である。種小名の aestivum はラテン語で「夏の」を意味する。
ヒトの選抜により非常に多くのコムギの品種が生まれている。この多様性はコムギの命名において混乱を招いている。これは命名が遺伝的および形態学的特徴の双方に基づいて行われているためである。詳細はコムギの分類を参照のこと。
パンコムギは異質6倍体(3種の異なる植物種由来の6組のゲノムを持つ異質倍数体)である。脱穀が容易な(易脱穀性)パンコムギは、脱穀しにくい(難脱穀性)スペルタコムギ (Triticum spelta) の近縁種である。スペルタコムギと同様に、タルホコムギ (Aegilops tauschii) 由来の遺伝子によりパンコムギはほとんどのコムギよりも優れた耐寒性を獲得しており、世界の温帯地域の至る所で栽培されている。
パンコムギは完新世初期の間に西アジアで初めて栽培化され、先史時代にここから北アフリカ、ヨーロッパ、東アジアに広がっていった。コムギは16世紀にスペイン人宣教 ...
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