フロログルシノール(phloroglucinol)は、医薬品や爆薬の合成に使われる有機化合物である。フロログルシノールはフェノール型である1,3,5-トリヒドロキシベンゼンと、ケトン型である1,3,5-シクロヘキサトリオン(フロログルシン)の2種の互変異性体が存在し、それぞれpHに依存した化学平衡の関係にある。フロログルシノールは多官能性であることから有機合成における中間体として有用である。
フロログルシノール二水和物の結晶の融点は116-117 °Cであるが、無水和物の融点は218-220 °Cと高い。沸騰はせず、昇華性を持つ。
フロログルシノールは、果樹の樹皮から初めて単離された。合成法はいくつかあるが、代表的なのはトリニトロベンゼンを経由した合成である。
通常、アニリン誘導体は水酸化物イオンに対して不活性であるためこの合成法は注目に値する。これは、トリアミノベンゼンがイミン体との互変異性を有することで加水分解を受けやすくなっていることに起因する。
フロログルシノールは、ヒドロキシルアミンとの反応ではケトンのように振る舞い、トリス(オキシム)を生成する。また、ベンゼントリオール(Ka1 ...
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