ヒスタミン (histamine) は分子式C5H9N3、分子量 111.14 の活性アミンである。1910年に麦角抽出物中の血圧降下物質としてヘンリー・デールとパトリック・プレイフェア・レイドローが発見した。
ヒスタミンは食物から直接体内に取り込まれるほか、生体内で合成される。
ヒスタミンはヒスチジン脱炭酸酵素 (HDC) により必須アミノ酸であるヒスチジンから合成され、主にヒスタミン-N-メチル基転移酵素 やジアミン酸化酵素 等で分解され、その後、イミダゾール酢酸となり排出される。肥満細胞中に高濃度で存在し、肺、肝臓、胃粘膜、脳などにも存在し、それぞれの生理機能を担っている。
ヒスチジン脱炭酸酵素の補酵素としては、ビタミンB6の活性型であるピリドキサールリン酸がある。また、ヒスタミン合成を防ぐものとしては、ヒスチジン脱炭酸酵素の阻害を行うカテキン類、メシアダノール、ナリンゲニン、トリトクアリンなどが存在する。一部の真菌はヒスタミン遊離を促し、アトピー性皮膚炎を亢進するとされる。一方、リンゴポリフェノールは、ヒスタミン遊離を抑制し、アレルギー性鼻炎の症状を緩和する。
なお、ヒスタミンの前駆物質であるヒスチジンには、抗酸化作用などの効果があるとされる。また、ヒスタミン前駆物質のヒスチジンはヒスタミン合成だけでなく、カルノシン合成酵素によるカルノシンの合成にも使われて ...
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