サンギナリン(Sanguinarine)は、毒性のある多環アンモニウムイオンである。名前の由来となったサンギナリア属の他、アザミゲシ、クサノオウ、タケニグサ等の様々な植物から抽出される。
サンギナリンは、膜貫通タンパク質であるNa+/K+-ATPアーゼに作用して動物細胞を殺す毒である。流行性水腫は、サンギナリンを摂取することによる病気である。
皮膚に触れると、死んだ組織の大きなかさぶたができる。そのため、サンギナリンは痂皮性を持つと言われる。
ネイティブ・アメリカンは、かつて催吐薬、呼吸器の補助、その他さまざまな病気の治療のためにサンギナリア属を用いていた。アメリカ植民地では、サンギナリア属由来のサンギナリンがいぼ治療薬として用いられた。1869年にウィリアム・クックのThe Physiomedical Dispensatoryの中にサンギナリンの製法と使用法の情報が記載された。1920年代から1930年代には、ジョン・ヘンリー・ピンカードが販売した薬品'Pinkard's Sanguinaria Compound'の主成分として用いられた。ピンカードはこの化合物を「肺炎、咳、肺の弱り、喘息、また腎臓、肝臓、膀胱、胃の不調を治療し、血液や神経にも良い」と宣伝した。1931年、ピッカードの主張が詐欺であると判断した連邦当局により、この化合物のいくつかのサンプルが押収された。ピッカードは法廷で有罪を認め、25 ...
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