ハルミン (harmine) は、インドール構造とピリジン環を持つ三環式のβ-カルボリンアルカロイドに属する。自然界に広く分布し、植物、海洋生物、昆虫、哺乳類、またヒトの生体内に存在する。様々な国で伝統的に様々な用途の薬として用いられており、近年の研究は抗真菌、抗腫瘍、血管弛緩作用、インスリン感受性増加、幻覚性を明らかにしている。蛍光に発光する特性のため様々な試験に用いられる。
多くの植物に含まれ、特に中東の植物ペガヌム・ハルマラ(ハルマルあるいはシリアン・ルーとも) や、南米のつる植物バニステリオプシス・カーピに含まれている。ハルミンを含む薬草の調合剤アヤワスカは、アマゾンの部族の儀式にて摂取される幻覚性の飲料である。
ハルミンは、モノアミンの分解を担う可逆性モノアミン酸化酵素A阻害薬(RIMA)である。ハルミンはMAO-Aに選択的に結合し、類縁体のMAO-Bは阻害しない。このモノアミン酸化酵素阻害作用は、食品に含まれるチラミンや、他の医薬品との相互作用が命に関わることにつながりうることを示す。アヤワスカのうつ病に対する効果、ハルミン単独で、生体での膵β細胞の増殖を誘導し血糖調節を改善できるという予備的な研究が示されている。 ...
ウィキペディアでもっと読む