エストラゴール(Estragole)は、フェニルプロペンの一種で天然に存在する有機化合物である。p-アリルアニソール(p-allylanisole)、メチルカビコール(Methyl chavicol)とも呼ぶ。メトキシ基とプロペニル基で置換されたベンゼン環の構造を持つ。アネトールとは、二重結合の位置が異なる異性体である。無色の液体であるが、不純物を含むサンプルは黄色を呈する。テレピン油、アニス、フェンネル、ローリエ、タラゴン、バジル等の様々な植物に含まれ、香料の製造に用いられる 。
バジルの水蒸気蒸留により、毎年数百トンのバジル油が製造されている。この油の主成分はエストラゴールであるが、かなりの量のリナロールも含まれる。タラゴンの精油にもエストラゴールは60-75%含まれる。また、松根油、テレピン油、フェンネル、アニス(2%)等にも存在する。
エストラゴールは、香水や香料に用いられる。水酸化カリウムで処理すると、アネトールに変換される。またエストラゴールはマグノロールの合成に用いられる。
欧州医薬品庁のハーブ薬委員会(HMPC)によると、エストラゴールには発癌性や遺伝毒性があると考えられている。いくつかの研究では、代謝、代謝活性、共有結合のプロファイルは量に依存し、曝露レベルが減少すると相対的な重要性が著しく減少する(つまり、これらは量との間で線形にならない)ことが明確に示されている。特に、ネズミの実験は、 ...
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