オムスク出血熱 (オムスクしゅっけつねつ、Omsk Hemorrhagic Fever、OHF) はフラビウイルス科フラビウイルス属のウイルスによって引き起こされるダニ媒介性のウイルス性出血熱である。病名は、病原体がシベリア西部に位置するロシアのオムスクで最初に分離されたことに由来する。マダニ媒介性の感染症であるが、マスクラットがその伝播に重要な役割を果たす事で知られる。特異的な治療法や予防法は存在しない。日本国内では感染症法で四類感染症に指定されている。
病原体であるオムスク出血熱ウイルス (Omsk Hemorrhagic Fever virus, OHFV) は、フラビウイルス科に属するプラス鎖1本鎖RNAウイルスである。同じくダニ媒介性ウイルスであるロシア春夏脳炎ウイルスの一群に属する。オムスク以外にもノボシビルスク、クルガン、チュメニで発生例がある。一方でダニ媒介性脳炎と異なり、西ヨーロッパや日本には広がらず、分布はシベリアに限られる。
自然界では齧歯類とマダニの間で感染環が維持されている。齧歯類ではミズハタネズミが主な自然宿主であるが、北アメリカ原産でユーラシア大陸では外来生物であるマスクラットにも感染が成立する。マダニでは ...
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