サリチル酸(サリチルさん、英: salicylic acid)は、ベータヒドロキシ酸の一種の植物ホルモン。化学合成も比較的容易である。消炎鎮痛作用、皮膚の角質軟化作用があり医薬品としてはイボコロリやウオノメコロリで知られ、洗顔料などにも配合される。
消炎鎮痛作用があるが、サリチル酸をそのまま服用すると、消化器障害の副作用が発生しやすく、酷い場合には胃穿孔を起こして腹膜炎の原因となることがある。この問題を解決するために開発されたアセチルサリチル酸(アスピリン)に内服薬としての地位は奪われた。ただ、サリチル酸には皮膚すらも冒す作用があり、これを利用し、皮膚の角化病変に対して外用薬として使用される場合はある。
常温常圧では固体であり、無色の針状結晶である。
ちょうどベンゼンの水素のうちの1つがカルボキシ基に置換され、さらに、カルボキシ基から見てオルト位の水素のうちの片方が水酸基に置換された構造をしている。
サリチル酸は天然に広く認められる化合物である。植物内(特に果実)にエステル体であるサリチル酸メチルやサリシンの状態で存在しており、これは消炎剤や鎮痛薬として用いることも可能である。その他、一部の食品やハーブ系植物などにも含まれカレー粉やスパイス類に多く含まれるとの報告もある。 ...
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