ドコサノール (docosanol)またはベヘニルアルコール (behenyl alcohol) とは飽和脂肪族アルコールのひとつ。伝統的に保湿剤、乳化剤、増粘剤として化粧品に、また栄養サプリメントとして(単独もしくはポリコサノールの成分の一つとして)用いられてきた。
近年では、アメリカ食品医薬品局 (FDA) により、単純ヘルペスウイルスの引き起こす口唇ヘルペスの病期を短縮する調剤抗ウイルス薬として認可され、Abrevaの名で一般用医薬品に用いられている。
ドコサノールはヒト宿主細胞とヘルペスウイルスのエンベロープとの融合を阻害し、それによってウイルスの繁殖を防ぐと考えられている。この機構は実証されたものではない。
この薬品は、FDAによる2000年7月に行なわれた臨床試験を経て、口唇ヘルペス用軟膏として認可された。あるプラセボ対照治験によれば、平均して17.5時間(95%信頼区間: 2から22時間)の病期短縮が見られた。別の治験では、感染したモルモット背部に対しては治癒効果が見られなかった。
n-ドコサノール軟膏を用いた2つの実験では、n-ドコサノール軟膏治療部位と対照治療部位の間、およびn-ドコサノール軟膏治療部位と未治療感染部位との間に統計的有意差のあるパラメータは全く見られなかった。 ...
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