下垂体炎 (かすいたいえん) とは、脳下垂体の炎症である。下垂体炎は稀な疾患であり、その機序は完全には理解されていない。下垂体炎は一般的にリンパ球性下垂体炎として知られるが、それはリンパ球性炎症が下垂体前葉に限局されていたためである。
下垂体炎はごく最近になって発見された疾患である。症状と徴候の4つのカテゴリーが存在する。最もよく見られる初発症状は頭痛と視覚障害である。いくつかの症状は下垂体前葉ホルモンの機能減少によるものである。下垂体前葉ホルモンの内、最も頻繁に影響されるのは副腎皮質刺激ホルモン産生細胞、プロラクチン分泌細胞、ゴナドトロピン産生細胞であり、それら全てが下垂体前葉で見つけられる。多尿症もよく見られる症状であり、それによって、極度の口渇を示す多飲症と同様に、尿が希釈され過ぎてしまうのである。高プロラクチン血症も見られ、それは血中のプロラクチン濃度が異常なほど高いことを意味する。通常、トルコ鞍に腫瘤が認められ、ホルモン機能の低下が見られるだろう。
主に下垂体炎の診断は除外診断による。患者はしばしば下垂体腺腫の疑いで手術を受ける。しかし、最も確実な診断は MRI を用い、トルコ鞍のあらゆる腫瘤や病変を見つけることである。 ...
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