クロロキン(英: chloroquine、中: 氯喹)は抗マラリア剤のひとつ。マラリアの治療もしくは予防のために用いられる。1934年にドイツで最初に合成された。
現在ではクロロキンに耐性を持つマラリア原虫が出現している。そのためクロロキン単独で用いることはあまりなく、他の薬剤と併用されることが多い。
ドイツでは合成に成功したものの毒性の強さから実用化を断念した。しかし1943年にアメリカ合衆国で独自に開発し、抗マラリア薬として発売した。
M.D.アンダーソンがんセンターの研究グループによると、休眠状態のがん細胞をクロロキンでオートファジー(がん細胞の自食作用のスイッチ)を遮断したところ、癌細胞の再成長が阻害されたとの報告がある。
強い心臓毒性があり、リン酸クロロキンの場合、致死量は成人で 2-3g、小児では 0.5-1gである。マラリアの治療服用量は、成人で1日当たり250mg錠を4錠(1000mg、初日および2日目)が標準であり、治療域と中毒域が接近している。マラリア多発地域のタンザニアでは、致死量の少なさから、安価で入手が容易な自殺用薬物として広く認知されていて、女性が妊娠中絶に用いた中毒事例や、HIV陽性者などの自殺事例が頻発した。欧米でも自殺事例がある。 ...
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