心室細動(しんしつさいどう、英: Ventricular fibrillation, Vf)は、不整脈の一種であり、心臓の心室が小刻みに震えて全身に血液を送ることができない状態。
心臓は電気刺激が順番に伝わることによって規則的に収縮し、血液を送り出すポンプの役目を果たしている。心室細動は、この電気刺激がうまく伝わらず、心筋が無秩序に収縮している状態。平常だった心拍が急に200以上に上がり、その直後0になることなど最悪の場合は死亡してしまうこともある。
心筋梗塞や心臓弁膜症など心臓病の既往がある場合が多いが、急性心筋梗塞の初発症状であったり、また若年者ではブルガダ症候群やQT延長症候群など先天性の遺伝子異常が背景である場合もある。また、心臓に異常がない人でも脱水や栄養障害、腎機能障害などによって血液中のカリウムが異常に少ない場合や異常に多い場合にQT延長が生じてVfを発症することがある。小児では、キャッチボールなどでボールが胸部に当たってVfが誘発され(心臓震盪)、突然死の原因となることが指摘されて来ている。また、感電によるショックによって引き起こされる場合もある。人体を用いての胸骨圧迫練習が固く禁じられている理由はこのためである(正しいタイミングのところに余計な衝撃が加わるため、直ちにVfの原因になりうる)。 ...
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