リグニン(英: lignin)とは、高等植物の木化に関与する高分子のフェノール性化合物であり、木質素とも呼ばれる。「木材」を意味するラテン語 lignum から命名された。
リグニンは、光合成(一次代謝)により同化された炭素化合物が、更なる代謝(二次代謝)を受けることで合成されるフェニルプロパノイドのうち、p-クマリルアルコール(p-ヒドロキシシンナミルアルコール)・コニフェリルアルコール・シナピルアルコールという3種類のリグニンモノマー(モノリグノール)が、酵素(ラッカーゼ・ペルオキシダーゼ)の触媒の元で1電子酸化されてフェノキシラジカルとなり、これがランダムなラジカルカップリングで高度に重合することにより三次元網目構造を形成した、巨大な生体高分子である。その構造は複雑で、未だにハッキリとは判っていない。
シナピルアルコールが重合した分子をシリンギルリグニン(Sリグニン)、コニフェリルアルコールが重合した分子をグアイアシルリグニン(Gリグニン)、p-クマリルアルコールが重合した分子をp-ヒドロキシフェニルリグニン(Hリグニン)と言う。裸子植物である針葉樹のリグニンは、Gリグニンである。被子植物である広葉樹のリグニンは、GリグニンとSリグニンからなる。また、被子植物の内、単子葉植物であるイネ科植物のリグニンは、GリグニンとSリグニンとHリグニンからなり、草本リグニンと呼ばれる。 ...
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