紅皮症(こうひしょう。英語: Erythroderma)は先行する皮膚疾患や内臓疾患などに続発し、全身の皮膚が真っ赤に潮紅して皮膚が剥がれ落ちる(落屑)状態を呈する皮膚反応であり、単一の疾患ではなく症候名である。剥脱性皮膚炎とも呼ぶ。
紅皮症は、当初原因の分からない原発性紅皮症と各種疾患に起因する続発性紅皮症に大別されたが、多くの議論を経て様々な疾患に続発する皮膚反応であるという概念が定着した。
紅皮症についての詳細な報告は1862年、ウィーン大学皮膚科学教授であったHebra(ヘブラ)が「終始皮膚の潮紅と落屑のみを呈し、他に丘疹、小水疱などの皮疹を見ず、慢性に経過し、予後不良の疾患」としてヘブラ紅色粃糠疹を報告したのが端緒となる。続いて1867年にWilson(ウィルソン)が亜急性汎発性剥脱性皮膚炎の症例報告を発表した。さらに1876年Féréol(フェレオール)続いてBesnier(ベニエ)が急性紅皮症として再発性落屑性猩紅熱様紅斑の症例を報告、1878年にはRitter(リッター)が新生児に発症する致死的な紅皮症として新生児剥脱性皮膚炎を、1892年にはSavil(サヴィル)がイギリス・ロンドンの複数の養老院において集団発生した流行性剥脱性皮膚炎を、1907年にはLeiner(ライネルまたはライナー)が乳幼児に特有の紅皮症としてライネル落屑性紅皮症の症例をそれぞれ報告するなど、多くの研究者によって紅皮症についての症例が集 ...
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