クマリン (coumarin) は桜の葉に代表される植物の芳香成分の一種。ラクトンの一種で、芳香族化合物である。バニラに似た芳香があり、苦く、芳香性の刺激的な味がする。桜湯や天然のオオシマザクラの塩蔵葉を用いた桜餅の香りはこれらに含まれるクマリンなどによるものである。
クマリンは、シナモンの香り成分のシンナムアルデヒドやコーヒーの香り成分であるコーヒー酸とともに天然の香り成分として知られている。
当初は中南米に育つマメ科のクマル(Dipteryx odorata、トンカともいう。クマリンの語源でもある)という樹木から得られる種子(トンカマメ)から分離されていたが、1876年にウィリアム・パーキンがサリチルアルデヒドと無水酢酸の反応(パーキン反応)により合成に成功。現在では香料、軽油識別剤、医薬品原料として用いられている。
常温では無色の結晶または薄片状の固体。アルコール、エーテル、クロロホルムおよび揮発油に可溶。水に微溶。可燃性。紫外線のブラックライトを照射すると、黄緑色の蛍光を発する。
桜の葉、シナモン、トンカマメなどに含まれている。
生きている葉の中ではクマリン酸(o-クマル酸)配糖体の形で糖分子と結びついて液胞内に隔離されているので匂いはしないが、これを含むサクラやヒヨドリバナなどの葉や花を半乾きにしたり破 ...
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