アブラナ科(アブラナか、Brassicaceae)はアブラナ目に属する科の一つ。4枚の花弁が十字架のように見えることから、昔は十字花科(Cruciferae)とも呼ばれていた。APG植物分類体系では、すべての植物の科名が典型属に由来するものに改められたため、アブラナ属 Brassica に由来するものになっているが、旧学名も保留名として認められており、最新の書籍でも新名と保留名が併記されていることが多い。
十字架状の花弁と、細長い(種によっては扁平なうちわ型の)角果が特徴。ワサビやキャベツ、ダイコンなどのように、野菜あるいは香辛料として利用されるものを含む。またシロイヌナズナはモデル生物として有名である。
アブラナ科はフウチョウソウ科と近縁であり、APG植物分類体系(第2版まで)ではこれも(グループ内の詳細な関係が不明だったため、暫定的に)アブラナ科に含めていた。APG植物分類体系第3版では再び分離している。
篩部に「ミロシン細胞」という特殊な細胞があり、柔細胞にはカラシ油配糖体を含むのも大きな特徴である(近縁のフウチョウソウ科やワサビノキ科も含む)。植物体が傷つくとミロシン細胞内の酵素(ミロシナーゼ)が配糖体を加水分解してイソチオシアン酸アリルを遊離する。この物質がからしやワサビ、大根おろしなどに特有のツンとした辛味の成分であり、昆虫などの草食動物による食害から防御する手段である。 ...
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