テトラヒドロカンナビノール(英: Tetrahydrocannabinol; 略: THC, Δ9-THC)はカンナビノイドの一種。多幸感を覚えるなどの作用がある向精神薬。大麻樹脂に数パーセント含まれ、カンナビジオール (CBD) と共に大麻(マリファナ)の主な有効成分である。全身に存在するカンナビノイド受容体に結合することで薬理学的作用を及ぼす。
THCは生きている大麻ではTHCA(THCのカルボン酸体)として存在し、伐採後に熱や光によって徐々に脱炭酸されてTHCへと変化していく。乾燥大麻の中ではTHCとTHCAが共存しており、この総THC(THC+THCA)で大麻のTHC含有率を表す。
日本国外では、医薬品としては、ナビキシモルス(サティベックス)がTHCとCBDを含む経口スプレー。THCの純異性体のドロナビノール(マリノール)ががん化学療法の吐き気止めとして、エイズ患者の食欲不振と体重減少に、合成THCのナビロン(セサメット)がエイズ患者の同症状に承認されている国がある。
水には溶けにくい(溶解度 1〜2 mg/L )が、エタノールやヘキサンなどの有機溶媒には溶けやすい。
1964年、イスラエルのワイズマン研究所の ...
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