ルチン(英: Rutin)は、薬草などとして用いられていたミカン科のヘンルーダから発見された柑橘フラボノイド配糖体の一種。化合物名は、単離されたヘンルーダの学名 Ruta graveolensから来ている。
タデ科のダッタンソバ、ソバの実に含まれており、ダッタンソバにはソバの100倍のルチンが含まれている。ダイオウ属植物の葉および葉柄、アスパラガスなどに含まれている。そのほか、ブラジルのfava d'antaの木の果実、エンジュの花、果物や果皮(特にオレンジ、グレープフルーツ、レモン、ライムといった柑橘類)、クワの実、トネリコの実、クランベリーといったベリーにも含まれている。
分子式は C27H30O16 で、クェルセチンの3位に二糖のβ-ルチノース(6-O-α-L-ラムノシル-β-D-グルコース)がグリコシド結合したフラボノイド配糖体である。ルトシドあるいは、クェルセチン 3-O-ルチノシドととも呼ばれる。
水から再結晶したものは通常3水和物で淡黄色の針状結晶。214–215 ℃ で分解する。CAS登録番号は [153-18-4]。天然ルチンは水に不溶性でアルコールには溶解する。
ルチン(クェルセチンルチノシド)はクェルシトリン(クェルセチンラムノシド)と同様に、クェルセチンの配糖体である。このように、両者の化学構造は非常に似ているが、グリコシ ...
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