ロテノン (rotenone) は無臭の化合物で、フェニルプロパノイドの一種である。殺虫剤・殺魚剤・農薬として広く効果を持つ。天然にはある種の植物の根や茎に含まれる。ラットに投与するとパーキンソン症候群の原因となる。毒物及び劇物取締法により劇物に指定されている
エマニュエル・ジョフロア (Emmanuel Geoffroy) がフランス領ギアナを旅行していた際に、Robinia nicou、現在でいう Lonchocarpus nicou の標本から初めて見出した。この研究は彼の学位論文で扱われるところとなったが、寄生虫感染症で死去したため爾後1895年に発表された。その後の研究により、かつてジョフロアがニコウリン (nicouline) と名づけた物質はロテノンと同一であることが示された。
また、粉末もしくは乳液として、望まれない種の魚類(本来の生息地が異なる外来魚など)の管理・除去に使われる。ロテノンを植物から抽出し、水中に散布することによって魚を捕らえる方法が知られている。ロテノンを使うと魚が水面に浮かび上がり、容易に捕らえることができる。根を砕いて使う初歩的な方法であるが、さまざまな原住民によって使われた。ロテノンは消化器からは吸収されにくいため、このようにして捕らえた魚は食用に供することができる。一方、魚の場合ではえらから血液中に ...
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