スクアレン (squalene) とはトリテルペンに属する油性物質である。鮫の肝油から発見されたが、オリーブ油にも含まれ、人体では生合成され皮脂の主な成分として分泌される。これに水素を添加したスクアラン (squalane、またはスクワランとの表記)についても記す。
スクアレンは、1906年に東京工業試験所の辻本満丸によって“黒子鮫”の肝油から発見され、1926年、イシドール・ヒールブロン (Isidor Morris Heilbron) によって構造が決定された。
辻本は深海鮫 (学名Squalus spp.) から発見したことから、スクアレン (squalene) と命名した。
1990年代にはスクアラン、スクアラン共に鮫肝油が主な原料で、1990年代は日本が主要な輸入国かつ消費国で、「鮫肝油エキス」として健康食品が販売されてきた。基礎研究では抗酸化、抗がん、抗菌作用を示し、また様々な化学物質の前駆体でもあり、ワクチンを体内で輸送するアジュバントにも利用でき、様々な製造業が注目し需要が増加し、このため持続可能性のある生産方法が求められており、微生物の分野で探索が続けられている。
スクアレンはステロイド骨格の中間体でもあり、多くの動物に分布している。哺乳類では、メバロン酸経路を通じてアセチルCoAより肝臓や皮膚で800mg/日程度生合成されるが、さらにコレステロールに転化されるた ...
ウィキペディアでもっと読む