尿素(にょうそ、英: urea)は、有機化合物で、生体の代謝に使われ尿中に排泄される。カルバミドともいう。無機化合物から初めて合成された有機化合物として、有機化学史上、重要な物質である。
保水作用があり皮膚に水分を保持している成分のひとつで、保湿剤や濃度を高くし角質融解に使われる。肥料や防氷剤にも使われる。
無色無臭の結晶で、哺乳類や両生類の尿に含まれる。水に容易に溶け、その溶解度は 108 g/100 mL (20 ℃)。潮解性を持つ。非線形光学現象を示す。加熱すると分解し、アンモニア、ビウレット、シアヌル酸に変わる。
尿素の結晶の構造には、小分子が入るのにちょうど良い大きさの空孔がある。そのため尿素は、ヘキサンなど、さまざまな化合物と安定な包接化合物を作る。過酸化水素との包接化合物(尿素-過酸化水素付加体、略称 UHP)は、固体の形で取り扱える酸化剤として市販されている。
最も簡単な窒素化合物はアンモニアであるが、生体に有害なため、安全な尿素として貯めた後に水溶液として排泄される。ただし水溶性であるから水と共に捨てなければならず、濃縮にも一定のエネルギーを要する。水の確保が重要な問題となる生活ではこの点で非水溶性の尿酸にしたほうが有利となる。爬虫類や鳥類の糞に含まれる白い部分は、非水溶性の固体の尿である尿酸である。 ...
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