リナロール (linalool) は分子式 C10H18O で表されるモノテルペンアルコールの一種である。スズラン、ラベンダー、ベルガモット様の芳香をもつため、大量に香料として利用されている。他のモノテルペン香料物質の原料となるほか、ビタミンAやビタミンEの合成中間体でもある。消防法に定める第4類危険物 第3石油類に該当する。
非常に多くの植物の精油成分として見出される。特に含有量が多いのはローズウッド、リナロエ、芳樟の精油で、これらは工業的なリナロールの合成法が確立されるまでリナロールの供給源であった。
またネロリ(ダイダイの花)、ラベンダー、ベルガモット、クラリセージ、コリアンダー(種子)の精油にも比較的多く含有されている。慣用名のリナロールはリナロエに、(S)-d 体の慣用名のコリアンドロールはコリアンダーに、(R)-l 体の慣用名のリカレオールはローズウッドの現地名とされる Licari Kanali に由来する。
天然物中のリナロールでは (R) 体が過剰であるものが多い。芳樟油はもともと (R)-リナロールの化学純度が高く、また高い光学純度を持つので現在でも (R) 体のリナロールの供給源として重要である。ネロリ、ラベンダー、ベルガモット、クラリセージはいずれも ...
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