呼吸困難(こきゅうこんなん、dyspnea)は、臨床症状のひとつ。呼吸するという生理的運動に際して、苦しさや努力感などの自覚症状を有する状態。息切れ(いきぎれ, breathlessness, shortness of breath, SOB)と同義。
呼吸は体に酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するという血液中のガス交換を目的として行われる生理的運動であるが、医学的には呼吸困難という状態はあくまで自覚的な症状を指し、必ずしも呼吸機能に問題があるとは限らない。従って敢えて呼吸困難感(こきゅうこんなんかん)という用語を使う必要はないが、明確にするためにこのように使われることもある。
呼吸が障害され、本来の機能である血液中のガス交換がうまく行われていない状態のことは「呼吸不全」と呼んで区別し、これは客観的な検査によって判定する。つまり、意識がない人には「呼吸困難」はなく、「呼吸困難」があっても「呼吸不全」がない場合や「呼吸困難」がなくても「呼吸不全」があるという場合も存在する。特に老人や、慢性の肺疾患を持っている者のなかには、呼吸不全があっても呼吸困難をきたしていないものがおり、注意を要する。なお、一般的な用語としての呼吸困難と呼吸不全は、混同されて使用される場合も多い。 ...
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