慢性疼痛(まんせいとうつう、英: chronic pain)は、“急性疾患の通常の経過あるいは創傷の治癒に要する妥当な時間を超えて持続する痛み”と定義されている。ここで相当な時間としては、3ヶ月、または、6ヶ月が挙げられている。慢性痛とも呼ばれる。ただし、癌性疼痛は除くことがある。反対の概念は急性疼痛である。
プライマリケア受診者の20-50%の訴えは、慢性痛である。 2010年には国際疼痛学会(en:International Association for the Study of Pain、IASP)により、患者が痛みに対する適切な診療を受けることは基本的人権であるとする、モントリオール宣言が採択された。
慢性疼痛の始まりは外傷などに伴う急性疼痛であることが多い。急性疼痛から慢性疼痛に移行しても、末梢組織に引き起こされた病態が脳で経験する痛みへと関与する。
末梢組織が傷害されると、サイトカインやサブスタンスP(SP)といった神経ペプチドの活性化により傷害部が腫れる。炎症状態が形成され、肉芽が形成されることもある。回復に伴い、傷害組織で線維芽細胞などが活性化し、線維化や瘢痕化する。瘢痕組織が痛みの発生・維持に関わっている。 ...
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