便秘(べんぴ、英: constipation)とは、ヒト(または他の動物)において便の排泄が困難になっている状態の総称である。
原因は腫瘍の増殖に伴う消化管の狭窄や閉塞などの器質的な要因による便の通過障害もあれば、気質的には全く異常を認めない機能性の便秘もあるなど、多岐にわたる。
自覚症状として、血便、腹痛、吐き気、直腸残便感、腹部膨満感、下腹部痛、食欲不振、めまい等のほか、肩や背中に放散痛を伴う場合がある。2017年10月には、日本消化器病学会により「慢性便秘症診療ガイドライン2017」が作成された。
「本来体外に排出すべき便を、十分量かつ快適に排出できない状態」とされる。しかし、かつては明確な定義は無く、症状が患者の主観によるため、定量化が難しいこともあり、定義は学会や国により異なっていた。例えば、日本消化器病学会の定義では「便秘とは、排便の回数や便量が減ること」とされていた。
2000年に米国消化器学会のコンセンサス会議で作成された便秘の診断基準では、「下腹部膨満感」「排ガス量」「排便回数」「残便感」「排便時の肛門の痛み」「(便の)量」「便の状態」を複合的に捉えたものに変更された。これは、多くの患者が臨床上は正常な排便頻度(毎日)であっても「下腹部膨満感」「排便時のいきみ」「便の硬さ」「残便感」などを訴えるため、排便回数だけで便秘を評価するのは不十分と考えたためである。3日以上の排便間隔と残便感を基準とし ...
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