せん妄(譫妄、せんもう、英:delirium)は、意識混濁に加えて奇妙で脅迫的な思考や幻覚や錯覚が見られるような状態。健康な人でも寝ている人を強引に起こすと同じ症状を起こす。特にICUやCCUで管理されている患者によく起こる。
急激な精神運動興奮(カテーテルを引き抜くなど)や、問診上明らかな見当識障害で気がつかれることが多い。大手術後の患者(術後せん妄)、アルツハイマー病、脳卒中、代謝障害、アルコール依存症の患者にもみられる。せん妄とは治療も異なる振戦せん妄は、アルコールやベンゾジアゼピン系薬物からの離脱によって起こり区別される。
通常は対症療法が行われる。一般に抗精神病薬が使われるが、その効果には議論がある。
覚醒水準の低下の亢進、見当識障害、注意の散漫、判断力・集中力の低下、思考や気分の不安定化、錯覚や幻覚などの意識障害が発生し、攻撃的になったり暴力を起こすこともある。突然生じ経過は短いが、命にかかわることもある緊急事態である。
高齢者にはせん妄がしばしば出現するが、その状態像は痴呆と重なる部分が多いため、高齢者の軽い意識障害は仮性痴呆と呼ばれる。せん妄の特徴として、発現が急性または亜急性であり、症状の発現に浮動性があり、夜間に増加する傾向があることから、せん妄と痴呆の鑑別は時間の経過によって行われる。 ...
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