色覚異常(しきかくいじょう)とは、ヒトの色覚が正常色覚ではない事を示す診断名である。「色盲」(しきもう)「色覚特性」(しきかくとくせい)などとも呼ばれる。2017年9月から日本遺伝学会により「色覚多様性」という呼称が提唱されている。正常色覚とされる範囲は、眼科学によって定義される。要因が先天性である場合を先天性色覚異常、後天性である場合を後天性色覚異常と分類する。先天性色覚異常を持つ人は、日本においては男性で約5%、女性で約0.2%の割合であるが、フランスや北欧では男性で約10%、女性で約0.5%であり、アフリカ系の人では2 - 4%程度である。
錐体細胞をまったく持たない場合、およびS・M・Lのいずれかひとつしか錐体細胞を持たない場合に発生する。発症は数万人に1人と少ない。
まったく錐体細胞を持たない場合は、本来暗い光を感知する桿体細胞にのみ視覚を頼る形になる。暗いところでは正常色覚者でも色がわからなくなるほか、細かい形状がわからなくなる(視力が低下する)が、錐体細胞がまったくない場合は、明るい環境でもこの状態になる。つまり、色がまったく識別できないほか、弱視などの症状がある。視力は0.1程度。近視などと違い網膜の問題であるため、眼鏡では色覚も視力も改善しない。また、明るすぎる環境では桿体細胞が正常に働かず、さらに視力が低下する。これに対してはサングラスや遮光眼鏡で対処する。 ...
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