シャルル・ボネ症候群(シャルル・ボネしょうこうぐん、Charles Bonnet syndrome, CBS)または解放性幻視(かいほうせいげんし、visual release hallucinations)とは、心理物理学的な視覚障害の一種であり、著しい視力低下をした人が経験する複雑幻視である。
1760年にシャルル・ボネによって初めて記録され、シャルル・ボネ症候群という用語は、1982年に初めて英語圏の精神医学に導入された。視覚入力がない場合に起こる関連するタイプの幻視として、閉眼幻視がある。
著しい視力低下のある人は、鮮明な反復幻視(虚構性視覚知覚)を起こすことがある。この幻視の特徴の1つとして、「不思議の国のアリス症候群」(文字または物体が通常よりも小さく感じる幻覚)がある。幻視は、その内容によって単純幻視と複雑幻視に分類される。単純幻視は、一般的に図形や光、格子状の模様が見えるのが特徴である。一方、複雑幻視は、人や物などの非常に詳細な表現で構成される。最も一般的な幻視は、顔や漫画の幻視である。患者は、その幻視が現実のものではないことを認識している(偽幻覚)。この幻覚は視覚のみであり、聴覚、嗅覚、味覚などの他の感覚には発生しない。幻覚は通常、目を開けているときに現れ、視線が移動すると消えてゆく。CBSの発生には、感覚遮断が関与していると広く主張されている。活動していない時に幻覚が現れやすくなる。CBSを患っている人の大多数は、幻視の持続時間は数分で、1日または1週 ...
ウィキペディアでもっと読む