悪性腫瘍(あくせいしゅよう、英: Malignant TumorまたはCancer) は、生体内の自律的な制御を受けずに勝手に増殖を行うようになった細胞集団つまり腫瘍のなかでも、特に周囲の組織に浸潤しまたは転移を起こす腫瘍のことである。「悪性腫瘍」とは、腫瘍の中でも、特に浸潤性を有し、増殖・転移するなど悪性を示すもののことであり、「良性腫瘍」と対比される用語である。だが例えば、非浸潤性乳管がんという浸潤なしの悪性腫瘍もある。「悪性腫瘍」はMalignant neoplasmの訳語として作られた言葉で、Malignantは「悪性の」、Neoは「新しく」、Plasmは「形成されたもの」を意味する。悪性新生物(あくせいしんせいぶつ、英: Malignant Neoplasm)とも呼ばれる。一般に癌(ガン、がん)とも。
ヒトの身体は約六十兆個の細胞からなっている。これらの細胞は、正常な状態では、細胞数をほぼ一定に保つように分裂・増殖しすぎないような制御機構が働いている。それに対して腫瘍は、生体の細胞の遺伝子に何らかの異常がおきて、正常なコントロールを受け付けなくなり自律的に増殖するようになったものである。この腫瘍が正常組織との間に明確なしきりを作らず浸潤的に増殖していく場合、あるいは(※)転移を起こす場合に悪性腫瘍と呼ばれている。 ...
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