肺癌(はいがん、英:Lung cancer)は、肺に発生する上皮細胞由来の悪性腫瘍。90%以上が気管支原性癌 (bronchogenic carcinoma)、つまり気管支、細気管支あるいは末梢肺由来の癌である。
国際肺癌学会によれば、肺癌は世界的に最も致死的な癌であるが、その理由の1つは、多くの場合発見が遅すぎて効果的な治療を行うことができないことであり、早期に発見された場合は手術や放射線治療でその多くを治癒することができる。
全世界での死亡患者数は159万人に上り(2012年)、主な原因としてタバコが挙げられる。
一般的な症状は、血痰、慢性的な激しい咳、喘鳴(ぜんめい)、胸痛、体重減少、食欲不振、息切れなどであるが、進行するまでは無症状であることが多い。合併症である肥大性肺性骨関節症に伴いばち指や関節炎を伴う事がある。
肺内の気道粘膜の上皮は、たばこの成分などの、発癌性物質に曝露されると速やかに、小さいながらも変異を生じる。このような曝露が長期間繰り返し起こると、小さな変異が積み重なって大きな傷害となり、遂には組織ががん化するに至る。腫瘍が気管支腔内へ向かって成長すれば気道は閉塞・狭窄(きょうさく)し、場所と程度によってはそれだけで呼吸困難を起こす。気道が完全に閉塞すれば、そこより末梢が無気肺となり、細菌の排出が阻害されることにより肺炎を生じやすくなる(閉塞性肺炎)。また、腫瘍の血管はもろく出血しやすいため、血 ...
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