てんかん(癲癇、英語: Epilepsy)とは、脳内の細胞に発生する異常な神経活動(「てんかん放電」)によっててんかん発作をきたす神経疾患、あるいは症状。神経疾患としては最も一般的なものである。
古くから存在が知られている疾患のひとつで、ソクラテスやユリウス・カエサルが発病した記録が残っている。全般発作時の激しい全身の痙攣から、医学的な知識がない時代には、狐憑きに代表される「憑き物」が憑依したと誤認され、「放っておくと舌を噛んで死ぬ」と思われていたり、周囲に混乱を起こすことがあり、偏見や差別の対象となることもあった。
かつては「子供の病気」とされていたが、近年の調査研究で、老若男女関係なく発症する見解も示され、80歳を過ぎてから発病する報告例もある。一方でエミール・クレペリンは、老年性てんかんに対しては別個のものとして扱っている。
予防や完治は不可能であるが、制御は可能な病気であり、抗てんかん薬が用いられる。年間の医薬品コストはわずか5ドルにすぎないが、通院、入院、検査には費用がかかり、日本では医療費自己負担額軽減のための制度もある。また、食事療法によっても発作の軽減や抑制が可能な病気である。 ...
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