皮膚炎(ひふえん)とは、皮膚に起こる炎症のこと。別名湿疹(英: Eczema)ともいう。湿疹の特徴として「外見上、多様性に富む固疹が、時間的にも状態的にもみられる」「病理学的にリンパ球などの炎症細胞浸潤がみられること」などがあげられるが、統一した定義をつけることが困難な概念である。外見の変化を専門的には湿疹の三角形と言われ別項に記す。
湿疹とは病態(動き)を示す言葉であり、ある湿疹を診た時に、発疹が起こっているとは言うことができるが、発疹を診てこれは湿疹だと言うことはできない(同じことが蕁麻疹でもいうことができる)。皮膚に起こる形態的徴候は皮膚科学の言葉で発疹として別に定義されている。
湿疹の三角形は、湿疹として生じる固疹の形態(紅斑、漿液性丘疹、小水疱、膿疱、びらん、痂皮、落屑、治癒)を、通常とりうる経過を加えて表現した図である。慢性化するすなわち治癒しなかった場合は皮膚の肥厚、苔癬化を呈する内容も加えられている。経過が一定ではなく様々なパターンをとることが分かる。一方、病因論的に見ると典型的湿疹は接触皮膚炎である。
湿疹の経過は多様であるので、必ずしもそうとは言い切れないが典型的な経過をまとめてみる。まず炎症がおこり毛細血管が拡張する、この状態を紅斑 ...
ウィキペディアでもっと読む