片頭痛(へんずつう、migraine)とは、頭痛の一種で、偏頭痛とも表記する。発作的脈打つような痛みや嘔吐などの症状を伴うのが特徴である。頭の片側に現れることが多いが、両側が痛む場合も存在する。軽度から激しい頭痛、体の知覚の変化、吐き気といった症状によって特徴付けられる神経学的症候群である。生理学的には、片頭痛は男性よりも低血圧の女性に多い神経学的疾患である。
典型的な片頭痛の症状は片側性(頭の半分に影響を及ぼす)で、拍動を伴って4時間から72時間持続する。症状には吐き気、嘔吐、羞明(光に過敏になる)、音声恐怖(音に過敏になる)などがある。およそ3分の1の人は「前兆」と呼ばれる、異常な視覚的、嗅覚的、あるいはその他の感覚の(片頭痛が間もなく始まることを示す)経験をするとされる。
初期治療としては、頭痛にNSAID鎮痛剤や、血管収縮剤であるエルゴタミン・トリプタンなどの服用、吐き気に制吐剤の服用、そしてさらなる発症の抑制がある。片頭痛の原因は未解明であるが、セロトニン作動性制御システムの障害であるという説が一般的である。
片頭痛には変異型があり、脳幹に由来するもの(カルシウムやカリウムイオンの細胞間輸送の機能不全が特徴的である)や、遺伝的性質のものなどがある。双子に関する研究で、片頭痛を発症する傾向への遺伝的影響が、60〜65パーセントの確率であることが分かった。さらに変動するホルモンレベルも、片頭痛と関係がある。思春期前には男女ほとんど同じ数だけ片頭痛を発症するのに対し、成人患者 ...
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