百日咳(ひゃくにちぜき / ひゃくにちせき、英: whooping cough, Pertussis)は、主にグラム陰性桿菌の百日咳菌(Bordetella pertussis)による呼吸器感染症の一種。特有の痙攣性の咳発作を特徴とする急性気道感染症である。
百日咳ワクチンで予防可能な小児疾患であるにも係わらず、発病率が上昇している唯一の疾患である。1歳以下の乳児は重症化しやすく、6カ月以下では死亡の危険性が高い。1990年代以降、先進国での感染者数は増加傾向で、発症者の30%は成人である。
感染力が強く、患者との濃厚接触者の80%ほどに感染する。WHOの発表では、世界の患者数は年間1,600 万人で。約70%は5歳未満の幼児で、特に6カ月未満が 38%。1歳未満の小児の死亡率は約1 - 2%で、生後1カ月間が最も高い。世界的に存在している感染症で予防接種を受けていない人々と免疫が減衰した人の間で、地域的な流行が2 - 4年毎に起きる。一年を通じて発生が見られるが、春が多い。
予防は主にワクチンによるが、獲得した免疫は約4 - 12年間で減衰し感染を防ぐことが出来ない状態まで低下する。世界的に成人の感染者数が増加しているが、これは子供のワクチン接種を親が拒否し免疫を獲得していない為である。更に免疫を持たない青年・成人層・不顕性感染者が病原巣(感染源)になっていると指摘されている。このように、ワクチン不摂取者およびワクチンによる免疫獲得者の成人層 ...
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