クモ膜下出血(クモまくかしゅっけつ、蜘蛛膜下出血、英: Subarachnoid hemorrhage; SAH)は、脳を覆う3層の髄膜のうち、2層目のクモ膜と3層目の軟膜の間の空間「クモ膜下腔」に出血が生じ、脳脊髄液中に血液が混入した状態をいう。脳血管障害の8%を占め、突然死の6.6%がこれに該当するといわれる。50歳から60歳で好発し、男性より女性が2倍多いとされている。
多くは脳動脈瘤の破裂(約80%)によるもので、その他に脳動静脈奇形、もやもや病、頭部外傷、脳腫瘍や脳動脈解離の破裂によるものなどがある。
内因性のクモ膜下出血の多くを占める。脳動脈瘤は動脈の一部位が膨らみ、その血管壁が脆弱となったものである。その種類により袋型(嚢状動脈瘤)と紡錘型がある。
脳動脈瘤を持つ人において、運動、怒責、興奮などによって脳への血圧が上昇すると動脈瘤の一部が破れて出血を起こす。出血自体はほんの数秒であるが血液は急速にクモ膜下腔全体に浸透し、頭蓋内圧亢進症状や髄膜刺激症状を起こす。
また、脳を栄養すべき血流が出血へと流れてしまうことにより、一過性の脳虚血を起こす。後述のHunt and Hess分類は、その虚血の重篤度を表すものであるとも考えられる。意識消失はごく短時間の大きな虚血によるものであり、心肺停止は数秒以上の全脳虚血によって迷走神経優位(迷走神経反射)による洞停止と推定 ...
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