リーシュマニア症(リーシュマニアしょう、leishmaniasis)とはトリパノソーマ科の原虫リーシュマニアの感染を原因とする人獣共通感染症の総称。サシチョウバエ類によって媒介される。原虫の種によって症状にかなりの差があり、ヒトでは主に内臓リーシュマニア症(カラアザール・黒熱病・ダムダム熱)と皮膚リーシュマニア症(東洋瘤腫・エスプンディア・チクレロ潰瘍)とに分類される。WHOの試算によれば、88か国1200万人がリーシュマニアに感染しており、リーシュマニア症は緊急に対策を要する6つの感染症の1つとされている。犬の媒介性疾患としても注目されている。
リーシュマニア症には大きく分けて内臓型と皮膚型がある。皮膚型にはさらに散在性のものや粘膜へ拡大するものが知られている。
内臓リーシュマニア症は、感染後数か月から数年たってから、発熱、肝臓や脾臓の腫大と貧血といった症状が出て、放置すれば死に至る。脾臓の肥大は極めて特徴的であり、肝臓よりも大きくなる場合がある。各地で様々な名称で呼ばれているが、おそらくカラアザール(Kala azar、黒熱病)という名が著名である。これはL. donovani、L. ...
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