マルファン症候群 (マルファンしょうこうぐん、Marfan syndrome、MFS)とは、常染色体優性遺伝の形式をとる細胞間接着因子(フィブリンと弾性線維)の先天異常症による結合組織病(遺伝障害、遺伝病)。マルファンはドイツ語式発音によるもの。
結合組織とは組織の間を埋める組織であり、全身に存在する。結合組織は細胞成分と細胞外基質からなる。細胞外基質は蛋白質で出来ている。細胞外基質を構成する蛋白質の一つに細胞間接着因子がある。細胞間接着因子には細胞外基質の強度を保つ蛋白質FBN1やTGFBR2、等がある。本症ではこれらの蛋白質が充分機能しないために、全身の形質に異常を呈する。
細胞外基質の異常から結合組織が脆弱となり細胞に弾力性を減少させ大動脈や網膜、硬膜、骨の形成等に異常をもたらす。
マルファン症候群は皆、同じ遺伝子の変異を持っているという点で「可変的な表現」で遺伝病であるが誰でも同じ程度に同じ症状を経験するというわけではない。生まれたときから非常に重篤な症状もあれば中高年になるまで大きな症状が出ることがない、あるいは循環器系の症状が重い、様々な症状を持ち合わせる、または知的障害を併せ持つ症状、など様々である。現在、1型、2型がみとめられている。 ...
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