非アルコール性脂肪性肝炎(ひアルコールせいしぼうせいかんえん、Non-alcoholic steatohepatitis:NASH)とは、肝臓に脂肪が蓄積することで起こる肝炎である。非アルコール性脂肪性肝疾患のうちで最も極端な形態であり、NASH は原因不明の肝硬変の重要な原因だとみなされ、画像診断あるいは組織診断で脂肪肝を認め、アルコール性肝障害などの疾患を除外した病態である。最終的に肝細胞癌に進行することもある。
発生に至る機序はまだはっきりとはわかっていないが、肥満に伴う脂肪肝に加え、肝臓に何らかのストレスがかかることによって発生するのではないかと考えられている。ストレスは具体的には活性酸素による酸化ストレス、過酸化脂質、鉄、インスリン抵抗性、サイトカインの放出などがある。日本では2005年よりメタボリックシンドロームの増加により、NASHへの注目も高まっている。
脂肪肝においては、血清フェリチンの増加がしばしばみられ、脂肪肝のなかでも非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH) を含んだ非アルコール性脂肪性肝疾患では、肝組織内の鉄の過剰が肝障害の増悪因子と考えられている。非アルコール性脂肪性肝炎では理由は不明であるが鉄の代謝異常が起こりフェリチンの増加が認められる。また肝臓には鉄が蓄積されていることが知られている。ヘプシジン(en:Hepcidin)は肝臓で産生される一種のペプチドホルモンであり、鉄代謝制御を行っている。ヘプシジンは腸からの鉄の過剰な吸収を抑制する作用 ...
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