虫垂炎(ちゅうすいえん、英: appendicitis、略してアッペ)は、虫垂に炎症が起きている状態である。虫垂炎は旧来盲腸炎(もうちょうえん)あるいは盲腸と呼ばれていた時期があり、これは昔、診断の遅れから、開腹手術をした時には既に虫垂が化膿や壊死を起こして盲腸に張り付き、あたかも盲腸の疾患のように見えることがあったためである。急性症と慢性症に分類される。
何らかの原因で虫垂内部で細菌が増殖し炎症を起こした状態である。炎症が進行すると虫垂は壊死を起こして穿孔し、膿汁や腸液が腹腔内へ流れ出して腹膜炎を起こし、敗血症により死に至ることもある。
原因は様々であり、明らかにならない事も多いが、ウイルス感染や糞石などの異物によってリンパ小節が腫大、バリウムや異物による内腔の閉塞によって生じる血流停滞が細菌の増殖を招き粘膜を傷つけ炎症に繋がる。例えば、蟯虫迷入、植物の種子、魚骨刺入、肺癌虫垂転移、誤飲した乳歯、義歯などの報告がある。
若年者から高齢者まで幅広く発症する。男女差はみられない。が、男女とも10代から20代の発症が他の年齢層より若干多い。理由は未解明であるが、急性虫垂炎の発症数には「夏に多く冬は少ない」とする季節変動があると報告されている。 ...
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