糖尿病慢性期合併症(とうにょうびょうまんせいきがっぺいしょう)とは、糖尿病に罹患してから数年を経て発症する合併症の総称である。糖尿病で血糖をコントロールする目的は、主に合併症を予防することである。糖尿病慢性期合併症は多彩であるが、糖尿病性神経障害・糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症の微小血管障害によって生じるものを、糖尿病の「三大合併症(triopathy)」と言われる。これら3つの合併症を後述の血管障害、いわゆる大血管障害と対応させて、小血管障害と言う。
自覚症状に乏しいため日本では約10%の患者に患者側都合による治療中断が生じ、症状の悪化につながっているとの報告がある。
グルコースはそのアルデヒド基の反応性の高さからタンパク質を修飾する作用(糖化反応、メイラード反応参照)があり、グルコースによる修飾は主に細胞外のタンパク質に対して生じる。細胞内に入ったグルコースはすぐに解糖系により代謝されてしまう。インスリンによる血糖の制御ができず生体が高濃度のグルコースにさらされるとタンパク質修飾のために糖毒性が生じ、これが長く続くと糖尿病合併症とされる微小血管障害によって生じる糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症などを発症する。 ...
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