ジアルジア症(ジアルジアしょう、giardiasis)とは鞭毛虫であるランブル鞭毛虫 (Giardia lamblia) を原因とする寄生虫病である。食品や水に含まれるシストを摂取することにより感染する。
人獣共通感染症であり、ランブル鞭毛虫はヒトを含む多くの哺乳類の消化管で増殖する。ヒトでの一般的な症状は下痢性胃腸炎である。日本では感染症法施行規則により五類感染症(全数把握疾患)に指定されており、診断した医師には届け出が義務づけられている。
本稿では、主にヒトの感染症について記述する。
ジアルジア症はひどい下痢と腹部の痙攣を特徴とする胃腸炎である。鼓腸、膨満、疲労、吐き気、嘔吐、体重減少などを伴うが、患者によっては吐き気や嘔吐が主症状となることもある。病原体を摂取したあと、7日から10日程度の潜伏期間を経て症状が出る。これは2–4週間でおさまるが、乳糖不耐症の場合には6ヶ月続くこともある。程度は様々で、無症状キャリアも多い。自然治癒するが、免疫不全の場合には慢性化し胆嚢・胆管炎を併発することが多い。
全世界的にはありふれた感染症で、世界中のほとんどの国で有病地を抱えている。特に熱帯・亜熱帯地域に感染者が多く、感染率は1-2割に達する。有病率が20%を超える国もあり、約2億人が感染している。 ...
ウィキペディアでもっと読む