低カリウム血症(ていカリウムけっしょう)は、なんらかの原因で血清中のカリウム濃度が低下してしまう電解質代謝異常症のひとつで、臨床的には血清カリウム濃度が3.5mEq/Lを下回ることである。また、なんらかの疾病の症候のひとつ。
血清カリウムは3.7〜4.7mEq/lと狭い範囲に調節されていて、平均的な70kgの成人は約3500mEqのカリウムを有し、カリウムの約98%は細胞内液として、2%程度が細胞外に存在する。
食事から摂取量は変動幅が大きく40〜150mEq/日とされる。定常状態では、10%程度が便中に排泄されるが尿中排泄により体内濃度はコントロールされている。日摂取量が150mEqを上回ると、過剰なカリウムは数時間で約50%を尿中に排泄する。更にカリウムの摂取増加が持続していれば、アルドステロン分泌によって腎臓からのカリウム排泄が亢進する。また、便からのカリウム吸収はある程度調節される。
維持輸液で必要なカリウムは一日あたり20〜40mEqであるが、経口摂取では一日50〜100mEq必要であるといわれている。正常人ではカリウムは摂取量と同じだけ尿中に排出されることが知られている。即ち、腎障害がなければ尿中カリウム量からカリウム摂取量を予測することができる。尿中のカリウム排出の調節は腎臓のCCT(皮質部集合管)で行われる。ここはカリウムの尿中への分泌を行う器官であり、体内のカリウムが過 ...
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