エキノコックス症(エキノコックスしょう)とは、寄生虫の1種であるエキノコックスによって人体に引き起こされる感染症の1つである。包虫症(ほうちゅうしょう)などとも呼ばれる。
エキノコックスとは、扁形動物門条虫綱真性条虫亜綱円葉目テニア科エキノコックス属に属する生物の総称である。区分すると、単包条虫 Echinococcus granulosus による単包性エキノコックス症と、多包条虫 Echinococcus multilocularis による多包性エキノコックス症に分けられる。そのうち、単包性エキノコックス症は牧羊地帯に好発し、日本においては輸入感染症として認知されている。
原因は、おもにキタキツネやイヌ・ネコ・タヌキ・オオカミなどイヌ科をはじめとする肉食動物(イヌ科以外の例外もあり)の糞に混入したエキノコックスの卵胞を、水分や食料などの摂取行為を介してヒトが経口感染することによって発生するとされる、人獣共通感染症である。卵胞はそれを摂取したヒトの体内で幼虫となり、おもに肝臓に寄生して発育・増殖し、深刻な肝機能障害を引き起こすことが知られている。それゆえ、肝臓癌との誤診を経て外科手術時にエキノコックス症と判明することもある。 ...
ウィキペディアでもっと読む