フェニルケトン尿症 (ふぇにるけとんにょうしょう、(英: phenylketonuria) とは、先天的な酵素(または補酵素)の異常によって、フェニルアラニンの代謝が阻害され起こる疾病である。頭字語のPKUで呼ばれることもある。12q22-q24.1に位置する、phenylalanine hydroxylase(フェニルアラニン水酸化酵素)遺伝子の異常によって発症する。
フェニルアラニンヒドロキシラーゼの反応(フェニルアラニンからチロシンが生じる反応)における酵素または補酵素の機能的欠損によるフェニルアラニンの蓄積とその副産物の生成が原因で起こり、早期に適切な治療を行わない場合、発達遅延などの神経症状を発症する。
日本では新生児約8万人に1人の割合で起こり、先天性のアミノ酸代謝異常症の中では最も多い。日本では現在、全ての新生児に対し当疾患のスクリーニング(新生児マススクリーニング)を行い、早期治療に役立てている。2015年7月1日に「指定難病」に指定された。
チロシンは非必須アミノ酸であるが、これはフェニルアラニンから生合成できるためである(フェニルアラニンは必須アミノ酸)。フェニルアラニンのベンゼン環にヒドロキシル基が付加されるこの反応では、2つの酵素の活性が必要となる。 ...
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