炭疽症(たんそしょう)、炭疽(たんそ)とは、炭疽菌による感染症。ヒツジやヤギなどの家畜や野生動物の感染症であるが、ヒトに感染する人獣共通感染症である。ヒトへは、感染動物との接触やその毛皮や肉から感染する。ヒトからヒトへは感染しない(言い換えれば、非常に危険な感染症であるが、伝染病ではない。)。感染症法における四類感染症、家畜伝染病予防法における家畜伝染病である。以下、とくに断りがない限りヒトにおける記述である。皮膚からの感染が最も多いが、芽胞を吸いこんだり、汚染した肉を不十分な加熱で食べた場合にも感染する。自然発生は極めてまれ。
炭疽とは「炭のかさぶた」の意味であり、英語名のAnthraxはギリシャ語で「炭」の意味である。この名称は皮膚炭疽の症状で黒いかさぶた(瘡蓋)ができることにちなむ。
ヒト、家畜問わず致死率が高く、感染経路によってはエボラ出血熱やペスト(黒死病)に匹敵するほど危険な感染症となる。
炭疽菌が顔、首、手などの皮膚の小さな傷から侵入すると、1 - 7日後ニキビ様の小さな掻痒性または無痛性の丘疹が現れ、周囲には発疹と浮腫が現われる。丘疹は崩壊し潰瘍となり黒いかさぶたを形成し、高熱が出る。炭疽症の大部分はこれに含まれる。 ...
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