内臓逆位(ないぞうぎゃくい、Situs inversus)は、内臓の配置が、鏡に映したようにすべて左右反対になる症状をいう。
内臓がすべて左右逆に配置されているだけであれば機能的には問題ない。ほとんどの医師が逆位の患者の診療経験を持たないため、病気や事故などによる診療や手術などで、判断が困難となる場合もある。心臓など、非対称である臓器が左右対称になる症状は、内臓錯位(Situs ambiguus、ヘテロタキシー heterotaxy ともいう)として区別される。所謂「右心臓」も、この一種。
内臓錯位では、心機能不全など重篤な症状が現れることが多い。乳児22000人に1人の割合で発生するが、心臓のほか他の臓器につながる血管が多かったり少なかったりするため、先天性の重い心臓疾患などを伴うことが多く、5歳まで生存できるのは5-13%程度とされている。
内臓逆位は、繊毛不動症候群 (Primary Ciliary Dyskinesia: PCD, immotile cilia syndrome) またはカルタゲナー症候群 (Kartagener Syndrome) と呼ばれる症状と強い因果関係にあることが明らかとなっている。繊毛不動症候群の患者は、その約半数が内臓逆位を示す。PCD ...
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