糖尿病性ケトアシドーシス(とうにょうびょうせいケトアシドーシス、英語: diabetic ketoacidosis; DKA)は、糖尿病ケトアシドーシスとも呼ばれ糖尿病患者において、インスリンの絶対的欠乏によってもたらされるアシドーシス(酸性血症)である。高血糖、高ケトン血症、代謝性アシドーシスが特徴である。ほとんどの発症者は1型糖尿病患者である。数日間から数時間で多尿・嘔吐・腹痛などの症状が現れ、進行すると昏睡や意識障害をきたし、死亡する場合もある。
インスリンはブドウ糖の利用を促進するホルモンであるが、1型糖尿病患者ではこれが欠乏しているためにインスリン感受性であるグルコーストランスポーターであるGLUT4を介した肝臓、筋肉などの細胞が血糖を取り込むことが出来ず、脂肪酸からβ酸化によりアセチルCoAを取り出し、TCAサイクルを回すことでエネルギーを調達する。この際、糖尿病や飢餓時のように脂肪酸代謝が亢進する病態では、肝臓のミトコンドリアでアセチルCoAは一部別経路に入り、グルコースの代替品であるケトン体が合成、他の臓器に提供され、この過剰に提供されたケトン体によってアシドーシス(血液が酸性に傾く状態)となる。このようなケトンによるアシドーシスは特にケトアシドーシスと呼ばれ、特に糖尿病によって引き起こされた場合を糖尿病性ケトアシドーシスという。 ...
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