ターナー症候群(ターナーしょうこうぐん、Turner syndrome)とは、染色体異常の一つで、正常女性の性染色体がXXの2本なのに対し、X染色体の遺伝子が1本分しかないことによって発生する一連の症候群のこと。その名称は、この症候群を報告したアメリカの内分泌学者ヘンリー・ターナーに由来する。大多数は適切な医学的介入のもとで健康な社会生活を送ることから、病気・障害ではなく一種の体質であることを強調する意味で「ターナー女性」という呼称を用いることが推奨されている。
染色体異常症のうちの異数性の一つ。配偶子形成時の減数分裂過程での染色体不分離により、X染色体が1本しかない(通常はX染色体2本かX・Y染色体1本づつ)場合(45,X)と、X染色体の短腕欠落(46,X,i (Xq) )、もしくはこうした要素を含むモザイクの核型や通常のX染色体にXもしくはY染色体の欠片のようなマーカー染色体がある場合などで発生する。
より厳密にいうと、X染色体は2本以上あると1本を残して不活性化して(ライオニゼーション)、X染色体が1本分しかない男性と染色体量を合わせる機構があるが、この際両端部(偽常染色体領域 PAR)は不活性化の対象にならずに実際には1本と少し分だけ働いている。このPAR領域のうち短腕側(PAR1)はY染色体短腕にも同じようなものがあり、これが染色体2本分あるのが正常だが1本分しかないと本症を呈す。従って「X染色体1本のみ」、「X染色体は2本あるが片方の短腕がない」、「X染色体は ...
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