トルサード・ド・ポワント(Torsades de Pointes、略称:TdP)は、不整脈の一型で、突然死の原因と成り得る。心電図上では特徴的な多形性心室頻拍を示す。1932年に初めて報告された。Torsades de Pointes とは「棘波の捻れ」を意味するフランス語である。
なお「de」の部分は「デ」と表現されたり、「Pointes」の部分は「ポアント」「ポアンツ」「ポワンツ」などど表記されたりもする。
ほとんどの症例で、自発的に正常洞調律に復帰する。症状としては、動悸、眩暈、立ち眩み(短時間)、失神(長時間)、突然死がある。
トルサード・ド・ポワントの主な原因としては、下痢、低マグネシウム血症、低カリウム血症が挙げられる。基礎疾患として栄養失調またはアルコール依存症などが見られることがある。先天的QT延長症候群も存在する。
また一部の医薬品の併用で起こる薬物相互作用の結果である場合もある。QT延長作用を持つクラリスロマイシン、レボフロキサシン、ハロペリドールは、シトクロムP450阻害作用を持つフルオキセチンやシメチジン、グレープフルーツなどの一部の食品を併用すると、薬剤の代謝が阻害されて血中濃度が上昇し、QT時間を延長する。QT延長は濃度依存的であるので、トルサード・ド・ポワント発生の危険性が上昇する。 ...
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