自己免疫性膵炎(じこめんせきせいすいえん、英: Autoimmune pancreatitis:AIP)とは、発症の要因が自己免疫疾患によるものと考えられている膵炎の一つ。以前は「腫瘤形成性膵炎」とも呼ばれていた。
1961年にフランスのSarles.Hらが、高γグロブリン血症や黄疸を呈し、飲酒歴がなく、石灰化や嚢胞が存在しない膵の硬化性変化を有する10症例を膵の慢性炎症性硬化症として初めて報告。その後、1978年に大垣市民病院の中野哲らが、シェーグレン症候群に合併しステロイドが著効した膵腫瘤として報告された。1991年には旧東京都立駒込病院の川口研二らによって、病理学的な特徴としてのLPSP像が報告され、1992年に東京女子医科大学八千代医療センターの土岐文武らによって「膵管狭小化慢性膵炎」という概念が報告され、1995年に昭和大学医学部の吉田仁らと共に「自己免疫性膵炎」の提唱がなされてきた。2001年には信州大学医学部の浜野英明らによって血清IgG4高値が多いことが報告され、IgG4関連疾患の一つとして扱われるようになってきた。
中高年(60歳代)の男性に多く認められる。自覚症状の他に、胆道系酵素(血中膵酵素・肝胆道系酵素・総ビリルビン)の上昇、閉塞性黄疸、糖尿病などを指摘され、膵癌や胆管癌た検査や、腹部超音波検査における膵腫大がきっかけとなり診断される事がある。 ...
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